目が悪くなったら眼鏡やコンタクトレンズで矯正するのが一般的ですが、我が家の子供達はオルソケラトロジーという近視矯正を行っています。
オルソケラトロジーは、夜寝ている間に特殊なレンズを装用することで視力を矯正し、日中は裸眼で過ごすことができる夜用コンタクトレンズです。
比較的新しい近視矯正法として、ジワジワ認知されつつあるオルソケラトロジー。
- オルソケラトロジーって何?
- 普通のコンタクトレンズと何が違うの?
- 夜に装用するって安全なの?
- 実際に使用したメリット・デメリットは?
- 海外ではどんな感じ?
こんな疑問に、子供達が6年以上装用しているオルソケラトロジー経験者として詳しくお答えしていきます!
オルソケラトロジーとは
30年以上前にアメリカで研究・処方がスタートしたオルソケラトロジーは、特殊なデザインのレンズを就寝時に装用し、角膜の形状を平らに変化させ近視を矯正する治療法です。
使用するレンズは、内側に特殊なカットが施された酸素透過性の高いハードコンタクトレンズ。
朝レンズを外すとしばらくは角膜にその形状が記憶され、その間は近視が矯正される仕組みです。
元の視力・装用期間にもよりますが、息子の場合は2日間くらいはバッチリの視力を維持できています。
アメリカでは2004年にFDA(アメリカ食品医薬品局)に認可され、日本では2009年に初めてオルソケラトロジーのレンズが厚生労働省に承認されました。
レーシック手術を受けるにはまだ早い子供や、スポーツをする人などに人気がある近視矯正法です。
ただ、コンタクトレンズを夜中ずっと装用することに不安を感じることも事実。
私もコンタクトレンズは夜必ず外すこと!と教えられていたので初めは違和感がありました。
でもオルソケラトロジーで使用するレンズは、FDAにより夜装用することが認められている高酸素透過性のレンズ素材でできているので心配はありません。
我が家では念のため週に1、2回装用を休むことで、目の休憩期間を作っています。
オルソケラトロジーのメリット
日中を裸眼で過ごせる
夜間に視力の矯正をすることで日中は裸眼で過ごせるため、サッカーやバスケットボールなどの激しいスポーツや、スイミングやサーフィンなどのマリンスポーツをする方は、視力を気にすることなく思いっきりエンジョイすることができます。
お子様の場合は、眼鏡の破損や日中用コンタクトレンズの紛失、レンズの不快感から解放されることもメリットですね。
装用を止めれば、すぐ元通り!
レンズを装着することによってのみ近視矯正が行われるオルソケラトロジーは、治療を止めたいと思ったらすぐ元の目の状態に戻せることがメリットです。
レーシックなどは一度手術したら戻せませんが、オルソケラトロジーなら装用を止めて数日後には角膜は元の形状に戻るので安心です。
近視の進行が防げる
子供の近視は成長期に進行しますが、オルソケラトロジーのレンズを毎晩装着し続けることによって、近視の進行を防げることがわかってきました。
実際に我が家の子供達は二人とも、オルソケラトロジーを始めてから視力がほとんど変わっていません。
私自身が中学生くらいに一気に目が悪くなったことを考えると、とても画期的なことだと思います!
オルソケラトロジーのデメリット
毎日の手入れが大変
一晩中目の中にレンズを入れっぱなしの状態になるので、レンズの衛生状態には非常に気を使っています。
手入れが不十分だったり、汚い手で扱うと細菌感染を起こしたりする危険があるので、手洗いの徹底とレンズの消毒管理をしっかりとする必要があります。
また定期的な検査が必須です。
視力矯正できる範囲が狭い
角膜を変形させて視力を矯正するので、軽度〜中程度の近視・乱視が治療の適応になります。(−1D〜−4D程度までと言われています)
また、レンズの形状から遠視を矯正することはできません。
角膜が柔らかいほど形状を記憶しやすいことから、子供の視力矯正に向いていると言われています。
費用が高い
オルソケラトロジーで使用するのは特殊なハードレンズのため、費用が高いこともデメリットの一つです。
アメリカ、アジアなどの海外では大体レンズのみで最低でも1000ドル〜、さらに毎日のケア用品代もかかります。
子供達の受診しているロサンゼルスの眼科では、レンズも毎年交換をオススメされているので、通常の眼鏡や日中用コンタクトレンズに比べたら割高になっています。
オルソケラトロジー使用 我が家の場合
息子 オルソケラトロジー歴6年
息子の目が悪くなり出したのが小学5年生くらい。
6年生にはもう眼鏡が必要な度数となり、早く眼鏡を作らなければと思っていた時にたまたまオルソケラトロジーを知り、早速病院へ。
トライアル期間を経て、それからもう6年間もオルソケラトロジーレンズを装用しています。
その間にシンガポールから台湾、さらにアメリカと引越しをしましたが、どこの国でもオルソケラトロジーを扱う眼科を見つけることができ、近視矯正を続けることができました。
息子は片目の視力は良いガチャ目だったので、尚更眼鏡よりオルソケラトロジーが向いている気がします。
2、3日装用しなくても角膜が形状を保っているのでよく見えているようです。
娘 オルソケラトロジー歴 2年
息子と同じように6年生くらいで近視が始まった娘も、オルソケラトロジー矯正を選びました。
間近で息子のレンズの取り扱いを見ていたため、特に違和感もなくあっさりスタート。
ただ息子よりも近視が進んでいた状態だったので、息子と比べて毎晩装用しないと視力がしっかり出ないようです。
海外のオルソケラトロジー事情
海外引越しが多く、シンガポール・台湾・アメリカでオルソケラトロジー治療を受けた我が家。
どの国でも口コミやネットで調べて、簡単にオルソケラトロジーを扱う眼科を見つけることができました。
特に台湾では、オルソケラトロジーで近視矯正をしている子供が多かったように感じました。
今現在ロサンゼルスで通っている眼科は家から通いやすいことが決め手で選びましたが、そのドクターの息子もオルソケラトロジーで近視矯正中とのことで、とても細かく指導してくれ安心感も抜群。
とりあえず高校を卒業するまでは二人ともオルソケラトロジーを続ける予定です。
まとめ
眼鏡やレーシック手術が不要で、夜にレンズを装用することで近視矯正ができるオルソケラトロジー。
我が家は子供達の近視矯正に思い切ってオルロケラトロジーを選択して、その結果に大満足しています。
上記のようにメリットもデメリットもありますが、
- 日中裸眼で過ごしたい方
- 激しいスポーツを思い切り楽しみたい方
- 成長期の子供の近視の進行を抑えたい方
こんな方にはオルソケラトロジーをオススメします。
近視矯正の一つの選択肢として是非検討してみてください。