シンガポール、台湾、アメリカの3カ国でオルソケラトロジーによる視力矯正を続けてきた我が家の子供たち。
オルソケラトロジーをする上でレンズを清潔に保つことは、眼の健康を維持し感染症を防ぐためにとても重要ですが、特殊なレンズであるがゆえ毎日のケアが負担になることも事実です。
今定期的に受診しているドクターから教えてもらったのは、少し手間がかかるけど、眼の健康を保つためによく考えられたレンズケア。
そんなオルソケラトロジーのお手入れ法、その手順と使用洗浄剤を詳しくご説明します。
オルソケラトロジーにご興味がある方は、どんな感じなのかぜひ参考にしてみてください。
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オルソケラトロジーでレンズケアが重要な理由
ワンデータイプの1日使い捨てレンズ以外のコンタクトレンズは、快適な装用とクリアな視界を保つために洗浄・保管などのレンズケアが必須。
特にオルソケラトロジーの場合は、就寝中に装用する特殊な形状の酸素透過性のコンタクトレンズを使用しています。
オルソケラトロジーのレンズケアに細心の注意が必要な理由は、特殊な形状のため洗浄が不十分になりやすいことと、夜寝ている時はまばたきをしないため、涙による自浄作用が少ないことが理由に挙げられます。
汚れが付着したままのレンズを夜装用すると、目の充血や異物感、さらに「角膜感染症」を引き起こすリスクも大きくなります。
角膜感染症とは
細菌やカビ、アカントアメーバ、ウィルスなどの病原体が角膜(黒目)に感染し、炎症を起こす病気。
日中裸眼で過ごせ、近視の進行を抑える効果もあるオルソケラトロジーを安全に使用するためにも、適切なレンズケアが非常に重要になっています。
LAの眼科医直伝 オルソケラトロジーレンズケア
子供たちが受診しているロサンゼルスの眼科は、オルソケラトロジーの眼科医が常駐しています。
そのドクターから教えてもらった方法を毎日きっちり守り、半年〜1年に1度の定期検診を欠かさないことで、全く問題なくオルソケラトロジーを続けることができています。
夜間の装用が終わり、レンズを外した後の朝のケアから順に説明します。
Clear Careで自動洗浄
朝起きてコンタクトレンズを外したら、Clear Careを使用してレンズを洗浄します。
Clear Careは日本でも購入できるコンタクトケア用品で、過酸化水素による高い洗浄力により、専用ケースの中で自動で洗浄・中和が完成するお手軽な洗浄液。
オルソケラトロジーレンズに限らず、酸素透過性ハードコンタクトレンズやソフトコンタクトレンズ全般にも使えるため人気があり、こちらのCostcoでも販売されています。
Unique pHにつけ置き
6時間のクリアケアによる自動洗浄が終わったら、レンズを取り出し、上の画像のようなコンタクトレンズケースに移し替えます。
その時に使用するのは、Unique pHというレンズ保存液。
クリアケアはとても洗浄力が強いのですが、オルソケラトロジーのレンズは形状が特殊なため、万が一レンズに残った洗浄液成分を中和させるためにUnique pHを使用します。
つけ置く時間は最低30分以上とのことです。
Saline Solutionで洗い流し
寝る前のレンズ装用時に、ケースから取り出したコンタクトレンズをこのSensitive Eyes Plus Saline Solutionで複数回こすり洗いしてから装着します。
Unique pHが少しぬるっとしているので、そのぬるつきがなくなるまで3〜4回洗い流します。
そして装用感をアップするため、綺麗になったレンズにソフトサンティアを一滴垂らしてから装着。
以上を毎日繰り返します。
▼朝レンズを外す前にも一滴、大活躍の目薬▼
2、3ヶ月に1度はプロージェントでスペシャルケア
体質にもよりますが、息子は特にタンパク汚れがレンズに付着しやすいので、2、3ヶ月に1度は、メニコンのプロージェントを使用し、タンパク質除去を行います。
なんと日本語のパッケージのプロージェントがアメリカのアマゾンで普通に販売中!(英語版もあり)
このスペシャルケアを追加することで、いつもクッキリクリアに矯正できるので、我が家での必須アイテムになっています。
オルソケラトロジーのケアで大変なこと
上記のような丁寧なケアと定期検診のおかげで、特に問題もなく続けることができているオルソケラトロジー。
大変だと思うことは、やはり手順が多いことによるケア用品の多さ。
旅行時は、コンタクトケア用品のボトルだけでも3本、ケースがそれぞれ2つずつ、さらに予備の洗浄液なども持っていくので荷物が大変なことになってしまいます。
また子供二人分なので、毎日のケア用品代もかなりかかります。
それでもどう考えてもメリットの方が上回っているのでオルソケラトロジーをずっと続けてきました。
今後の予定 オルソケラトロジーはいつまで?
ドクターによると、子供のうちはオルソケラトロジーで近視の進行を抑制しつつ視力の矯正を行い、大人になってレーシック手術を受けたり、メガネや通常のコンタクトレンズに移行したりする人が多いとのこと。
オルソケラトロジーで十分な視力矯正の効果を得るには、毎晩最低でも6時間の睡眠時間が必要と言われているので、大人になり不規則な生活パターンや睡眠不足が原因で続けることが難しくなることも理由かもしれません。
この秋から大学生になる息子はまだオルソケラトロジーを続けるつもりでいますが、大学の寮生活できちんとケアができるのかどうか見極めが必要なところです。
まとめ
周りであまりやっている人を聞かないオルソケラトロジー。
ここロサンゼルスでも、子供たちの友人はワンデーソフトレンズか眼鏡による視力矯正が多いです。
理由はやはり、あまり認知度がないことによる漠然とした安全性への不安と、ケアの大変さ・毎年のレンズ交換による費用の高さなどだと思います。
我が家は思い切って始めてみてもうすぐ7年経ちますが、
- 日中裸眼で過ごせる快適さ
- 近視抑制効果
この2つのメリットが、費用やケアの大変さを上回っています。
夫も私もそれぞれの家族全員が近眼で眼鏡やコンタクトが手放せない家系なので、子供たちの近視抑制ができていることが素直にとても嬉しいです。
これからもしばらくは続けていく予定です。
以上、アメリカでオルソケラトロジー、眼科医が勧めるケア方法でした。